M5Stack CORE2の使い方、ArduinoIDE、UiFlow、PlatformIOの初期設定、工場出荷時への戻し方も紹介

CORE2アイキャッチ2

M5Stack CORE2の使い方、始め方を「ArduinoIDE」や「UiFlow」「PlatformIO」それぞれで動作確認まで詳しく紹介、デモ画面を表示する工場出荷状態への戻し方も紹介します。


「CORE2」の基本仕様、端子配列、デモ画面については以下のリンクで詳しく紹介しています。

M5Stack CORE2について、デモ画面、基本仕様、端子配列(機能)等を詳しく紹介
CORE2について工場出荷時デモ画面の動作確認方法や外観紹介から基本仕様、端子配列(一覧表にまとめました)、端子機能等を詳しく紹介します。

「液晶表示器」の使い方については、以下のリンクで詳しく紹介しています。

M5Stack 液晶表示の使い方まとめ - 完全版 -(Arduinoコマンド)
M5Stackの液晶の使い方を初期設定から文字表示(print,draw関数)中央揃えや右揃え,フォント,線,図形,M5GFXのスプライト等わかりやすくまとめました。
lovyanGFXの使い方 M5Stackシリーズ編 基本的な表示(日本語、図形)方法
lovyanGFXで簡単日本語表示、データ更新やグラフ表示で「チラツキ」を抑えるための「スプライト」について、コピペ用サンプルプログラムでCORE2,M5Stick Plus,GRAYで表示して詳しく紹介します。
スポンサーリンク

1.M5Stack CORE2とは

M5Stack CORE2(以下「CORE2」)はM5Stack社のマイコンボードの上位機種で、タッチパネル対応の液晶画面と画面外に3箇所のマーキングがあり本体正面全面をタッチエリアとして使用できます。

3箇所のマーキング部にはあらかじめボタンの座標が登録されており簡単にタッチボタンとしても使用できますし、自分で座標を指定すれば任意の位置をボタンにしたりスライドバーのような使い方もできます。

他にも振動センサ(3軸加速度+3軸ジャイロ)やマイク、スピーカ、SDカード、390mAのバッテリーを内蔵しています。

背面に端子があり、「入出力」や「アナログ入出力」「通信」「外部マイク」「外部スピーカ」を接続することができます。

これらの端子を使用するためには端子カバーを外す必要がありますが、このカバーは振動センサとマイクを実装したサブ基板になっていて、外すと使えなくなるので注意が必要です。

しかし、外せるということは離れた位置の対象に振動センサを取り付けて測定ができたり、離れた位置の音を記録したりできるのでこの点では便利です。

通信機能としては、有線で「I2C」「UART」「SPI」に対応しており「I2C」は側面の「Groveコネクタ」からも使用できます。無線は「WiFi」と「Bluetooth」に対応しています。

スポンサーリンク

2.USBドライバについて

USBドライバについて「USBチップ」が2種類あって、ロットによってどちらかが搭載されているようです。

公式ホームページには以下のように記載があります。

注:Core2には現在2つ(CP2104 / CH9102F)の USBチップがあります。
ユーザーは、2つのICと互換性のあるドライバ(CH9102およびCP210x)を両方インストールすることで正常に動作することができます。

原文 → Note: Core2 currently has two CP2104/CH9102F A USB chip version, users can install the drivers (CH9102 and CP210x) that are compatible with two ICs at the same time to ensure that the device drivers work normally.

USBドライバが2種類あるので両方インストールすると良いようです。

ドライバは以下のリンクからダウンロードできるので、お使いのOSにあったドライバを両方インストールしましょう。

m5-docs
The reference docs for M5Stack products. Quick start, get the detailed information or instructions such as IDE,UIFLOW,Arduino. The tutorials for M5Burner, Firmw...
スポンサーリンク

3.Arduino IDE の使い方、動作確認

「ArduinoIDE」を使用した「CORE2」の使い方と動作確認の方法を紹介します。

・ArduinoIDEとは

「Arduino IDE」とは誰でも簡単にプログラミング学習ができるように開発された、イタリア発祥のマイコンボード「Arduino」の開発環境で無償でダウンロードすることができます。

複雑で専門的な知識を必要とするプログラムが「ライブラリ」としてまとめられており、直感的に理解しやすいコマンドでこの「ライブラリ」を使用することで、初心者でも簡単に複雑な動作を実現することができます。

「Arduino」のプログラミングを目的に開発されたものですが、操作性の高さや理解のしやすさ、情報量の多さから、他のマイコンボードのプログラミング環境としても使用されており「M5Stackシリーズ」の「CORE2」もこの一つです。

プログラミング言語は「C言語」をベースに、マイコンボードを制御するための「Arduino」独自のコマンドを使用して行います。

マイコンボードを動かしながらプログラミングを進めることで「C言語」も自然に身につくため「C言語」の学習にも最適です。

「ArduinoIDE」のインストール方法は以下のリンクで詳しく紹介しています。

M5StackシリーズのためのArduino IDEのインストール方法と初期設定、使い方紹介
ArduinoIDEバージョン2のインストール方法から初期設定、スケッチ例の書き込み、コピペでの使い方まで詳しく紹介します。インストールはArduinoでも同じです。

・初期設定

「ArduinoIDE」で「CORE2」を使用するための初期設定について紹介します。

まず「ArduinoIDE」を起動したら、下画像のように「ツール」→「ライブラリを管理」をクリックして下さい。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

下のようなウインドウが表示されるので検索窓に「m5core2」を入力してください。

入力すると下画像のように「M5Core2」が表示されるので「インストール」をクリックしてください。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

「インストール」をクリックすると以下のような画面が表示されます。
これは「CORE2」に関連するライブラリの一覧です。

下の「Install all」をクリックして全てインストールしておきましょう。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

インストールが完了すると下画像のように「M5Core2」のところに「INSTALLED」と表示されます。
確認できたら「閉じる」をクリックしましょう。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

次に下画像のように「ツール」→「ボード:”(ここは環境によって異なります)”」→「M5Stack Arduino」→「M5Stack-Core2」をクリックします。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

再度「ツール」をクリックして下画像のように「ボード:”M5Stack-Core2″」になっていることを確認しましょう。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

・通信ポートの設定

次に「COMポート」の設定をします。
まず、パソコンと「CORE2」を接続しない状態にしてください。
接続している場合はUSBケーブルを抜きます。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

次に上画像のように「ツール」→「シリアルポート」を選択します。
現在使用できる「シリアルポート」が表示されるのでこれを覚えておきましょう。
この後で「CORE2」をパソコンと接続します。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

再度「ツール」→「シリアルポート」を選択すると「CORE2」を接続したポート「COM6(お使いの環境によって異なります)」が増えているのでこれを選択して完了です。


・サンプルプログラムの書き込み、動作確認

次に「ArduinoIDE」に準備されているサンプルプログラム(スケッチ例)を書き込んで動作確認を行います。

「Arduino」では「プログラム」のことを「スケッチ」と呼びます。
これには「キャンバスに自由に絵を描く(スケッチする)ようにプログラムを作成して欲しい」という開発者の思いが込められています。

スケッチ例として本体のボタンを押して画面に「A ,B ,C」を表示させるプログラムを書き込んで動作確認してみましょう。

まずは下画像のように「ファイル」→「スケッチ例」→「M5Core2」→「Basics」→「button」の順にクリックします。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

スケッチ例を選択すると新しいウインドウで「button」のスケッチが開かれます。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

上画像のように「button」のスケッチが開かれたら、ウインドウ上の「 → 」アイコンをクリックしてプログラムを書き込みます。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE使い方

「ArduinoIDE」の書き込みは時間がかかるのでしばらく待ちましょう。(環境によっては5分以上かかります。)
上画像のようにウインドウの下部に「ボードへの書き込みが完了しました」と表示されたら書き込み完了です。


書き込みが完了すると「CORE2」本体側では下画像のような画面になります。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE スケッチ例button

タッチボタンA〜Bに触れると、画面に「A, B, C」が表示されます。
長押しすると連続して同じ文字が表示されます。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE スケッチ例button

Bボタンを長押し(700ms以上)して離すと画面背景が真っ白になり、タッチボタンを押すとまた「A, B, C」が表示されます。

スケッチ例「button」はタッチボタンを一回押すと、ほぼ文字が2回表示されました。
次に紹介する開発環境「PlatformIO」で書き込むコピペ用サンプルプログラムはこの部分を修正したもので動作確認を行います。

4.PlatformIO の使い方、動作確認

「PlatformIO」を使用した「CORE2」の使い方から動作確認の方法まで紹介します。

・PlatformIOとは

「PlatformIO」とは 高機能エディタ VS Code(Visual Studio Code)内で動作する開発環境です。

VS Code内で動作するため、VS Codeの補完(エメット)機能が使えます。
補完機能とはプログラムコードの一部を入力するだけで候補を表示してくれる機能でとても便利です。


「PlatformIO」のインストール方法は以下のリンクで詳しく紹介してます。
「VS Code」と「Python」のインストールも別途必要になるのでリンクを載せておきます。

インストール順は「① VS Code」「② Python」「③ PlatformIO」です。

Visual Studio Code (VSCode)のインストールと日本語化から基本設定まで紹介
簡単高機能エディタ「VS Code(Visual Studio Code)」のインストールから初期設定まで紹介。 様々なプログラム言語に対応。プログラミング初心者にもおすすめ、現役最強エディタを使いこなしていきましょう。
pythonのダウンロードからインストール方法の紹介
人気のプログラミング言語 python のインストール方法の紹介です。python はアプリ開発やWebサイト構築、ディープラーニングにも使用されますが、マイコンボードの統合開発環境「Platform IO」のインストールにも必要です。
PlatformIO のダウンロードからインストールの紹介。Arduino IDEより速い!高性能!
Platform IOとは VSCode(エディタ)で動作する、IDEと呼ばれる統合開発環境です。 Arduino IDEでも開発できますが、見やすさ、編集のしやすさ、書込みスピード、どれをとってもPlatform IOの方がおすすめです

・プロジェクトの作成

「PlatformIO」を使用して「CORE2」のプログラミングを行うためにはまず、プロジェクトの作成を行います。

「PlatformIO」を起動して、以下のような画面が表示されているのを確認します。
表示されない場合は画面左下の①「家アイコン」をクリックしてください。

次に②「New Project」をクリックします。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

上画像のようなウインドウが表示されるので、①「Name:」にプロジェクト名を入力します。
なんでもいいですが今回は「CORE2」としています。
次に②「Board:」に「core2」と入力すると③「M5Stack Core2」が表示されるので選択して、最後に④「Finish」をクリックします。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

上画像のようなウインドウが表示されます。
自分で作成したプロジェクトなので「はい」をクリックしましょう。


・ライブラリのインストール

次に「CORE2」用のライブラリをインストールします。

画面上の①「PIO Home」タブをクリックして、②「Libraries」をクリックします。
下画像のように③の検索窓に「core2」を入力して検索すると④「M5Core2」が表示されるのでクリックします。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

上画像のような画面になったら「Add to Project」をクリックします。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

上画像のようなウインドウが立ち上がったら「Select a Project」の欄をクリックします。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

作成したファイルの一覧が表示されるので、①先ほど作成したファイル名(今回は「CORE2」)を選択したら、②「Add」をクリックします。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

インストールが始まるのでしばらく待ちます。
上画像のように「Congrats!」と表示されたら完了です。


下画像のように画面左の「platformio.ini」をクリックすると、使用するボード情報「board」やインストールされているライブラリ「lib_deps」の内容が確認できます。

下画像のような内容になっていれば初期設定は完了です。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

必須ではないですが、画面表示用ライブラリとして下画像の「LovyanGFX」ライブラリも同様にインストールしておくと日本語表示が簡単にできるので便利です。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

「lovyanGFX」ライブラリの使い方は以下のリンクで詳しく紹介しています。

lovyanGFXの使い方 M5Stackシリーズ編 基本的な表示(日本語、図形)方法
lovyanGFXで簡単日本語表示、データ更新やグラフ表示で「チラツキ」を抑えるための「スプライト」について、コピペ用サンプルプログラムでCORE2,M5Stick Plus,GRAYで表示して詳しく紹介します。

・サンプルプログラムの書き込み、動作確認

次にサンプルプログラムの書き込みを行います。

サンプルプログラムは「ArduinoIDE」のスケッチ例「button」の動作を少し修正して、タッチボタンを押したときに「振動モータ」を一瞬動作させてクリック感を持たせようとしたものです。

サンプルプログラムはスケッチ例「button」のボタン制御関数を「wasReleased」から「wasPressed」に変更して、「振動モータ」の制御を追加しています。

サンプルプログラムは以下になります。「コピペ」して書き込んでいきますので、下コードをコピーしてください。(ハイライト部は振動モータのプログラム)

※下コード(黒枠)内の右上角にある小さなアイコンのクリックでもコピーできます。

#include <M5Core2.h>
// 初期設定 ----------------------------------------------------
void setup() {
  M5.begin();                       // 本体初期化
  M5.Lcd.setTextColor(YELLOW);      // 文字色
  M5.Lcd.setTextSize(2);            // 文字サイズ
  M5.Lcd.setCursor(65, 10);         // 座標指定
  M5.Lcd.println("Button example");
  M5.Lcd.setCursor(3, 35);          // 座標指定
  M5.Lcd.println("Press button B for 700ms");
  M5.Lcd.println("to clear screen.");
  M5.Lcd.setTextColor(RED);         // 文字色
}
// メイン ------------------------------------------------------
void loop() {
  M5.update();                      // ボタン状態初期化
  M5.Axp.SetLDOEnable(3, false);    // AXP_IO3 を false で振動モータ停止

  if (M5.BtnA.wasPressed() || M5.BtnA.pressedFor(1000, 200)) {        // BtnAを押した、または1秒以上の長押しなら
    M5.Lcd.print('A');                                                // Aを表示、または0.2秒ごとに連続表示
    M5.Axp.SetLDOEnable(3, true);                                     // AXP_IO3 を true で振動モータ動作
  } else if (M5.BtnB.wasPressed() || M5.BtnB.pressedFor(1000, 200)) { // BtnBを押した、または1秒以上の長押しなら
    M5.Lcd.print('B');                                                // Bを表示、または0.2秒ごとに連続表示
    M5.Axp.SetLDOEnable(3, true);                                     // AXP_IO3 を true で振動モータ動作
  } else if (M5.BtnC.wasPressed() || M5.BtnC.pressedFor(1000, 200)) { // BtnBを押した、または1秒以上の長押しなら
    M5.Lcd.print('C');                                                // Cを表示、または0.2秒ごとに連続表示
    M5.Axp.SetLDOEnable(3, true);                                     // AXP_IO3 を true で振動モータ動作
  } else if (M5.BtnB.wasReleasefor(700)) {                            // BtnBが0.7秒以上押されて離したら
    M5.Lcd.clear(WHITE);          // 画面白クリア
    M5.Lcd.setCursor(0, 0);       // 座標指定
    M5.Axp.SetLDOEnable(3, true); // AXP_IO3 を true で振動モータ動作
  }
  delay(80);  // 遅延時間(振動モータ動作時間)
}

次に「PlatformIO」の画面左の①「src」を選択すると表示される「main.cpp」をクリックすると「main.cpp」の内容が表示されます。

初期状態では下画像のようにプログラム例が記入されていますが②全て消去して先ほどコピーしたサンプルプログラムを貼り付けます。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

次にプログラムの書き込みを行います。
画面左下の「 → 」アイコンをクリックすると書き込みが始まります。

しばらく待って、ターミナル部に「SUCCESS」と表示されたら書き込み完了です。

M5Stack CORE2 PlatformIO使い方

書き込みが完了すると「ArduinoIDE」で書き込んだ時と同じ画面になります。(同じ画像を使用)
動作は同じですがタッチボタンを押した時に文字が連続して2個表示されることはありません。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE スケッチ例button

タッチボタンA〜Bに触れると、画面に「A, B, C」が表示されます。
長押しすると連続して同じ文字が表示されます。

M5Stack CORE2 ArduinoIDE スケッチ例button

Bボタンを長押し(700ms以上)して離すと画面背景が真っ白になり、タッチボタンを押すとまた「A, B, C」が表示されます。

タッチボタンを押した時に振動モータを動かしてクリック感が出のを期待したのですが、机に置いてタッチするとほとんど振動も感じられません。
手で持つと少し感じますが、クリック感はありませんでした。

ちなみに振動モータは以下のように制御します。

M5.Axp.SetLDOEnable(3, true);     // AXP_IO3 を true で振動モータ動作開始 
M5.Axp.SetLDOEnable(3, false);    // AXP_IO3 を false で振動モータ停止

・補足:通信ポートの選択

「PlatformIO」は基本的に自動で通信ポートが選択されますが「CORE2」で 2種類のドライバをインストールしたためか、使いたいポートが選択されず書き込みエラーになることがありました。

そんな時には強制的に使用するポートを指定するとうまく書き込めますのでポートを指定する方法を紹介します。

私の場合は「Mac」を使用したときに書き込みエラーとなりました。
通信ポートは下画像の3つが認識されており「3:」を使用したいのに「2:」が選択されていました。

M5Stack CORE2 PlatformIO USBポートの指定

強制的に「3:」を指定するために「Platformio.ini」ファイルに下画像のような 2行を追加しています。

M5Stack CORE2 PlatformIO USBポートの指定

ポートを指定するコマンドは以下のようになります。

upload_port = "使用したいポート番号(COM*等)を記入"   //書き込みポートの指定
monitor_port = "使用したいポート番号(COM*等)を記入"  //シリアル通信ポートの指定

5.UiFlow(ビジュアルプログラミング)の使い方、動作確認

「UiFlow」でビジュアルプログラミングを使用した「CORE2」の使い方と動作確認の方法を紹介します。

・UiFlowとは

「UiFlow」とは「M5Stackシリーズ」のビジュアルプログラミングでの開発環境です。

ビジュアルプログラミングを作成すると「python(micro python)」のプログラムも自動で生成されており「python」のプログラムの確認も行うことができます。

「ビジュアルプログラミング」とは「ブロックプログラミング」とも呼ばれ、日本語の説明が表示されたコマンドのブロックを組み合わせることでプログラムを作成することができるプログラミング方法で、初心者でも感覚的にプログラミングを体験することができます。

「python(micro python)」を使用した開発環境は以下のリンクで詳しく紹介しています。

ビジュアルプログラミングをC言語、Python、JavaScriptで書くとこうなる
ビジュアルプログラミングはプログラミング?本当にプログラミングが出来るようになるの?実際のプログラミング言語に置き換えてみればわかる!ビジュアルプログラミングは間違いなくプログラミングです!

・開発環境の準備

「UIFlow」を使用するためには専用のソフト「M5Burner」を使用して、マイコンボード本体に「ファームウェア」を書き込む必要があります。

「M5Burner」のインストール方法や「UiFlow」の使い方についての詳細は以下のリンクを参照して準備しておいてください。

最新版UIFlowの使い方。初期設定から動作確認まで詳しく紹介
M5Stack CORE2,StickC,ATOM LITE等でビジュアルプログラミング(ブロックプログラミング)の開発環境UIFlowを使うための使い方を詳しく紹介します。

・「M5Burner」でファームウェアの書き込み

「UiFlow」を使用するために「M5Burner」を起動して「CORE2」用のファームウェアの書き込みを行います。

まずはパソコンと「CORE2」を接続して「M5Burner」を起動すると下画像のような画面が表示されます。画面左上の「COM:」で通信ポートを選択します。

左のメニューから「CORE」を選択すると「UIFLOW (CORE2)」があるので「Download」をクリックします。

M5Stack CORE2 Burner使い方

M5Stack CORE2 Burner使い方

ダウンロードが始まったら終わるまでしばらく待ちます。

M5Stack CORE2 Burner使い方

ダウンロードが終わると上画像のように「Burn」というボタンが表示されるのでクリックします。


M5Stack CORE2 Burner使い方

「Burn」をクリックすると上画像のように「WiFi Setting」ウインドウが表示されます。

ここではWiFi接続のための「SSID」と「Password」を設定します。
お使いのWiFi環境に合わせて入力して「Start」をクリックしてください。


「Start」ボタンをクリックするとファームウェアの書き込みが始まります。

M5Stack CORE2 Burner使い方
M5Stack CORE2 Burner使い方

上画像のように「Burn Successfully」が表示されたら書き込み完了です。


書き込みが完了すると「CORE2」本体で下画像のようにファームウェアが起動します。

M5Stack CORE2 UiFlow APIKEY確認

上画像の画面が表示されたら真ん中の「Flow」をクリックしましょう。
※初回以降は上画面表示後5秒を超えると設定されたモードごとに画面が自動で切り替わります。

M5Stack CORE2 UiFlow APIKEY確認

上画像の画面になったら「Wi-Fi」をクリックします。

M5Stack CORE2 UiFlow APIKEY確認

設定されたSSIDへのWiFi接続が開始されます。

M5Stack CORE2 UiFlow APIKEY確認

接続が完了すると上画像のように「API KEY」が表示されます。
「API KEY」は「UiFlow」で「CORE2」本体を認識するために必要なのでメモしておきましょう。


・UiFlowの初期設定

「UiFlow」の使い方について紹介します。

まず「UiFlow」を起動して、下画像のように、画面右上の「設定」をクリックします。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

上画像のようなウインドウが表示されるので、メモしておいた「Api key」を入力します。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

次に上画像のように「CORE2」のアイコンを選択して「OK」をクリックします。


「OK」をクリックすると「CORE2」本体との接続が開始され、接続が完了すると下画像のように画面右上に「接続済み」が表示されます。

これでプログラムを作成する準備が整いました。

「UiFlow」の画面左側には「CORE2」のシミュレータが表示されています。
画面の中央にはコマンドの一覧があり、ここからプログラムのコマンドを選択して画面右でプログラムの作成を行います。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

・プログラムの作成と動作確認

次に簡単なプログラムを使用した「UiFlow」の使い方と動作確認の方法を紹介します。

今回作成するプログラムは「CORE2」の画面に簡単な絵文字を表示するプログラムです。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

まず画面中央のコマンド一覧から「UI」→「画面」の中の上画像のコマンドをクリックします。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

次にコマンド一覧の「絵文字」の中から上画像のコマンドをクリックします。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

選択したコマンドは、画面右に配置されます。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

配置されているコマンドを「ドラッグ&ドロップ」で上画像のように組み合わせます。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

次に上画像のように色を選択して、画面の背景を「白」に変更しましょう。

M5Stack CORE2 UiFlow使い方

絵文字の「ドット」の中から点灯させたい箇所に「チェックマーク」を入れます。
今回は「ハート型」にチェックを入れています。
最後に「RUN」をクリックするとプログラムが本体に転送されます。


「RUN」をクリックすると「CORE2」本体の画面に下画像のように「ハートマーク」が表示されるのが確認できると思います。

プログラムの転送は「RUN」ボタンをクリックして行いましょう。
「ダウンロード」をクリックすると「CORE2」が「App(アプリケーション)モード」に切り替わり、本体単体で動作するようになりますが、以降のプログラム転送ができなくなります。
この場合、再度プログラムの転送を行うには「CORE2」を「Internetモード」に切り替える必要があります。
「Internetモード」にするには、本体のリセットボタンを押して、本体初期画面から「Flow」をクリック後「Wi-Fi」をクリックします。

6.工場出荷状態に戻す方法

「CORE2」を工場出荷状態に戻す方法を紹介します。
工場出荷状態に戻すには「M5Burner」を使用するのが一番簡単です。

「M5Burner」を起動して「COM:」の設定をしたら、左メニューの「CORE」を選択します。
「CORE」のプログラム一覧の中に下画像のように「Core2FactoryTest」があるので「ダウンロード」をクリックします。

M5Stack CORE2工場出荷時への戻し方
M5Stack CORE2工場出荷時への戻し方

ダウンロードが終了すると上画像のように「Burn」が表示されるのでクリックして書き込むと工場出荷状態に戻ります。

7.書き込み速度比較 「ArduinoIDE」 vs 「PlatformIO」

「ArduinoIDE」と「PlatformIO」の書き込み(コンパイルを含む)速度はかなり違うので、どれくらい違うかを比較してみました。

「ArduinoIDE」は手軽にプログラミングの作成ができますが、書き込み速度が遅いです。
「PlatformIO」の方がかなり早くて、ストレスなくいろいろなプログラムをすぐに確認できます。
プログラミング学習をする場合は特に差が出てくると思うので「PlatformIO」の使用をおすすめします。

実際にどれくらい違うのかを、私の使っているパソコン環境で比較した結果は以下のようになりました。


書き込むプログラムは「ArduinoIDE」のスケッチ例「button」を使用しました。
パソコンは下表の仕様の「Surface GO」と「MacBook Pro」で行いました。

パソコン名CPU仕様等HDDメモリ(RAM)
Surface GOIntel Pentium CPU 4415Y 1.60GHz
Windows 10 HOME
128GB
SSD
8GB
MacBook Pro 14-inch 2021Apple M1 Proチップ512GB
SSD
16GB

それぞれの条件での書き込み速度は下表のような結果になりました。

パソコン名ArduinoIDEPlatformIO
Surface GO5分59秒33秒
MacBook Pro 14-inch 202149秒10秒

「Surface Go」より「Mac」が早いのは当然と思いますが、「Surface Go」で「PlatformIO」を使用すると「Mac」で「ArduinoIDE」を使用するより「16秒」早いという結果になりました。
1日で何回も書き込みを実行することを考えるとこの差はかなり大きいです。

パソコンを買い替えなくても開発環境を変えるだけで、プログラムの作成や学習効率にかなり違いが出ることが予想されます。

「Mac」+「PlatformIO」は触れるまでもないかと・・・プログラムを見直したり、考えているよりも、とりあえず書き込んでみてどうなるか確認する方が早いです。
エラーはコンパイラが教えてくれます。

あくまで私の開発環境でのデータなので、お使いの環境では違う結果になると思いますが「PlatformIO」の方が早いのは間違いないです。

8.まとめ

「CORE2」はM5Stack社のマイコンボードの上位機種で、タッチパネル対応の液晶画面や振動センサ(3軸加速度+3軸ジャイロ)、マイク、スピーカ、SDカード、バッテリーを内蔵しており、有線通信の「I2C」「UART」「SPI」と無線通信の「WiFi」と「Bluetooth」に対応しています。

開発環境としては「ArduinoIDE」「PlatformIO」「UiFlow(ビジュアルプログラミング)」が使用できます。

「ArduinoIDE」は手軽にプログラミングできますが、書き込み速度を考えると「PlatformIO」の方が断然早いです。エディタ機能も「VSCode」の補完(エメット)機能が使えるのでおすすめです。

「UiFlow」を使用すればビジュアルプログラミングでも使用することができ、初心者でも手軽に楽しくプログラミングを体験することができます。

これからプログラムを始めてみようって方も、まずはビジュアルプログラミングから体験して「Arduino IDE」や「PlatformIO」で「C言語」を使用した本格的なプログラミングにも挑戦してみましょう。


「C言語」については以下のリンクで詳しく紹介しています。

C言語プログラミングの記事一覧
C言語のプログラミング記事一覧です。安価なマイコンボードを使用して動かしながら学んでみましょう♪ プログラム例を使って、コピペで書き込み、動作確認しながら少しづつ理解を深めましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました