ラズパイPico2の使い方:MicroPython編

Raspberry Pi Pico2アイキャッチ

「Raspberry Pi Pico」の上位機種として「Pico2」が登場しました。
端子配列はそのままで処理速度の向上や、メモリ容量の増加等、性能アップした「Pico2」について、「Pico」との違いや、基本仕様、プログラミング言語に「Python(MicroPython)」を使用した、開発環境(Thonny)のインストールから初期設定、Lチカ(LEDランプの点滅)で動作確認を行う方法まで詳しく紹介していきます。

基本的な使用方法やプログラムについては前モデルの「Pico」と同じです。
「Pico」の使い方「C言語」を使用した開発環境の準備等は以下のリンクで詳しく紹介しています。

ラズパイPico/PicoWの使い方を3つの開発環境Python、ArduinoIDE、PlatformIOで紹介
Raspberry Pi Pico/Pico Wの使い方を端子配列からPython(MicroPython)とC言語の開発環境、Lチカ方法まで紹介。PythonはTonny、C言語はArduinoIDEとPlatformIOの3種類で詳しく紹介します。
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1.「Raspberry Pi Pico2」とは

「Raspberry Pi Pico2」とは、イギリスを拠点とする慈善団体によって若者のプログラミング学習を目的に開発されたもので「Raspberry Pi Pico」の上位機種です。

パソコンのように使える「Raspberry Piシリーズ」のようにOSを搭載する機能はありませんが、電源投入ですぐに使用でき、スイッチやLEDランプ、モーター、各種センサー、通信機器を接続して、それらを制御するプログラムを簡単に作成して動作確認できるため、組み込み(制御)系プログラミングの学習に最適です。

メイン処理装置のマイコン(マイクロコントローラ)が「Pico」の「RP2040」から「RP2350」に変更されたことで処理能力が向上し、メモリ容量も増えて、性能アップしながら「Pico」と同一寸法で、USBコネクタや電源回路、スイッチ、LED等も従来と同じように実装されています。

プログラミング言語には「C言語」と「Python」が使用でき、開発環境も豊富です。
本体に実装されているLEDを点灯させたり、モーターや表示器を接続してプログラムで実際に制御しながら、手軽にプログラミング学習ができるため、プログラミング初心者の学習用途に最適なマイコンボードです。

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2.「Pico2」と「Pico」の違い

「Pico2」と「Pico」は基本的な使い方や機能、端子配列、寸法は同じですが処理速度やメモリ容量がアップしました。

ファームウェアについては、ここでは使用しません(開発環境Thonnyでインストールできます)が、変更されているためダウンロード先のリンクを載せています。

・主な変更点比較表

主な変更箇所は以下表のようになります。

項目Pico2Pico1
コントローラRP2350RP2040
CPUデュアルコア Arm Cortex-M33
または
Hazard3(RISK-V)を選択して使用可能
最大150MHz
デュアルコア Arm Contrex M0+プロセッサ
最大133MHz
メモリ
Flash / SRAM
4MB / 520kB2MB / 264kB

コントローラが「RP2350」に変更され、CPUはデュアルコアの「Arm Cortex-M33」またはデュアルコアの「RISC-V Hazard3」 を選択して使用することができるようになりました。
クロック速度は「133MHz」から「150MHz」となり、より高速な処理が期待できます。

現時点では「MicroPython」や「ArduinoIDE」でCPUを切り換えて使用することは難しく(ファームウェアの書き換えが必要)、デフォルトでは「Cortex-M33」で動作するようです。
「Hazerd3」と切り換えながら使用するにはC言語の開発環境(C/C++ SDK等)を使用するのが良いようです。

Flash/SRAMメモリ容量が2倍に増えたことで、それぞれ以下のようなメリットがあります。

  • Flashメモリ:より大規模なプログラムや、複数のプログラムを同時に格納できるようになり、複雑な処理や多機能なアプリケーションの実現が可能になります。
  • SRAM:作業領域が拡大され、プログラムの実行中に必要なデータをより多くメモリ上に保持できるため、データの読み書きにかかる時間が短縮され、処理速度が向上します。

・外観

「Pico2」と「Pico」の外観を比較すると下画像のようになります。

一見見分けがつきませんが「Pico2」の表面にはPico2と大きく表示されているため、わかりやすいです。実装部品は「Pico2」の方が少し増えていますが、基板寸法は同じでBOOTボタンやLED(緑)の位置も同じです。

裏面は端子機能が同じで、端子番号のシルク印刷も同じなので見分けるのは難しいです。

外観から見ても「Pico2」と「Pico」は互換性があることが確認できます。

・ファームウェアの違い

「Pico2」と「Pico」ではファームウェアが異なります。

ここではThonnyの開発環境を使ってインストールしますので、個別にダウンロードする必要はありませんが、以下でダウンロード先のリンクを載せておきます。
MUエディタ等、他の開発環境を使用する場合は個別にインストールしてください。

「Pico2」の「MicroPython」用ファームウェアは以下のリンクからダウンロードできます。

リンクをクリックすると以下のようなページが表示されます。

Raspberry Pi Pico2 ファームウェアのダウンロード

下へスクロールすると、下画像のようにファームウェアのダウンロードリンクがあるので最新版をダウンロードしましょう。

Raspberry Pi Pico2 ファームウェアのダウンロード
デフォルトではCPUに「Cortex-M33」が使用されるようですが、「Hazerd3」を使用したファームウェアも公開されているため、必要に応じてダウンロードして使用しましょう。
「Cortex-M33」と「Hazerd3」の切り替えにはファームウェアの書き換えが必要となります。

ファームウェアのインストール方法は前モデルの「Pico」と同じため、以下のリンクを参照してください。

ラズパイPico/PicoWの使い方を3つの開発環境Python、ArduinoIDE、PlatformIOで紹介
Raspberry Pi Pico/Pico Wの使い方を端子配列からPython(MicroPython)とC言語の開発環境、Lチカ方法まで紹介。PythonはTonny、C言語はArduinoIDEとPlatformIOの3種類で詳しく紹介します。

・価格

価格は2024/11/9の時点で「スイッチサイエンス」で「Pico2」が ¥990「Pico」が ¥836と差はありますが、処理能力の違いを考えると「Pico2」はかなりお得に感じます。

用途によっては「Pico」でも十分な場合は多いと思いますので、用途によって使い分けるのが良いと思います。

Amazonでも購入可能です。割高ですが端子が実装されていたり、ケーブル等が付属していたりするので初回購入時には良いのではと思います。

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3.基本仕様、端子配列、端子機能

基本仕様

「Raspberry Pi Pico2」の基本仕様は以下表のようになります。
コントローラやCPU、メモリ以外の基本仕様は前モデルの「Pico」と同じです。

項目Pico2
コントローラRP2350
CPUデュアルコア Arm Cortex-M33
または
Hazard3(RISK-V)を選択して使用可能
最大150MHz
メモリ
Flash / SRAM
4MB / 520kB
電源電圧(VBUS)DC5V±10%
USBMicro USB Type-B
入出力多機能GPIO x 26
(3つはADCとしても使用可能)
通信機能UART x 2 / I2C x 2 / SPI x 2
無線通信機能
※Pico Wのみ
Wi-Fi (2.4 GHz)/Bluetooth
その他機能ADC(12bitアナログコンバータ) x 3
PWM x 16
電源電圧DC5V±10%
動作温度範囲-20℃〜85℃(内部発熱を含む)
寸法21 x 51 (mm)

端子配列

端子配列は前モデルの「Pico」と同じで下画像のようになります。
公式サイトより抜粋

Raspberry Pi Pico2端子配列

端子機能

上記端子配列の中の各端子の機能について、端子記号ごとに以下表にまとめました。

記号機能詳細
GP0〜22,
26〜28
入出力入力端子、出力端子としてプログラムで設定できます。
プルアップ抵抗無し、プログラムでプルアップ指定可
ADC0〜2AD変換12bit アナログデジタルコンバータ
I2C0,1同期通信I2C通信用端子で、以下の2つの信号線を使って通信を行います。
・SDA:データ送受信用
・SCL:クロック(通信タイミング)信号用
マスター側から送信したクロック信号のタイミングでスレーブ側と通信するため、
同期通信と呼ばれます。
SPI0,1同期通信SPI通信用端子で、以下の4つの信号線を使った通信を行います。
・TX:データ送信用
・RX:データ受信用
・SCK:クロック(通信タイミング)信号用
・CSn:スレーブが複数ある場合の通信先選択用
通信したいスレーブ機器のCS(SS)端子をLowに制御して通信を行います。
I2Cと同じ同期通信ですが、データ信号線とクロック信号線が別なのでI2Cより高速な同期通信が可能です。
UART0,1非同期通信UART通信用端子で、SPI/I2C通信とは異なり、通信タイミングに必要なクロック信号が無いため、非同期通信と呼ばれます。
UART通信では以下の2つの信号線を使って通信を行います。
・TX:データ送信用
・RX:データ受信用
2つのデバイス間で、送信端子と受信端子を互い違いに接続します。
I2CやSPI通信とは異なり、マスター/スレーブのような関係はありません。
クロック信号が無いので、送受信するデバイス間で同じ通信速度(ボーレート)を
設定しておく必要があります。
よく使用される通信速度は以下になります。
1200 /2400 /4800 /9600 /19200 /38400 /57600 /115200 (単位:bps)
VBUSUSB電源USBのDC電圧が出力されます。
VSYS内部制御用3.3V
電源生成用電源
制御用の3.3V電源生成用の電圧(1.8V〜5.5V)を別電源から供給したい場合に使用。
内部バックブーストコンバータ(RT6150B-33GQW)の入力電源。
3V3_EN内部制御用3.3V
電源生成有効無効選択
未接続で有効、GNDに接続で無効。
3V3(OUT)内部制御用3.3V
電源外部出力
3.3Vの外部出力電源として使用可能。
(最大出力電流はRP2350の負荷とVSYS電圧に依存します。このピンの負荷は300mA未満。)
ADC _VREFAD変換基準電圧アナログデジタル変換の基準電圧として使用可。

4.開発環境(Thonny)の使い方

ここでは「MicroPython」で「Pico2」のプログラム作成や実行を行うための開発環境「Thonny(ソニー)」のインストールから初期設定について詳しく紹介していきます。

「Thonny」は「Python」の開発環境として使用されますが「Pico2」や「ESP32」「micro:bit」等のマイクロコントローラの開発環境としても使用できます。

「Pico2」のプログラム実行に必要な「ファームウェア」は事前にインストールする必要がなく「Thonny」の初期設定の中で自動的にインストールされます。

・インストール

「Thonny」のインストール方法について詳しく紹介していきます。

今回は「Window11」で「Edgeブラウザ」を使用した場合を例に紹介します。
「Mac」の場合でもダウンロードするファイルが異なるだけでインストール方法は同じです。

まずは、「Thonny」をダウンロードするために以下のリンクをクリックします。

Thonny, Python IDE for beginners

下画像のようなページが表示されたら、ご使用のパソコンの環境に合わせて矢印部をクリックしてください。ここでは[Windows]をクリックします。

Thonnyのダウンロード方法

下画像のようなウインドウが表示されたら、お使いのパソコン環境に合わせてダウンロードファイルをクリックしてください。
最近のパソコンであれば矢印部の「64-bit」用で問題ないと思います。

Thonnyのダウンロード方法

以下のようにブラウザ画面にダウンロードの進捗ウインドウが表示されます。

Thonnyのダウンロード方法

ダウンロードが完了するまでしばらく待ちましょう。

Thonnyのダウンロード方法

ダウンロードが完了したら[ファイルを開く]をクリックします。

ダウンロード進捗ウインドウが表示されない、または消えてしまった場合は「エクスプローラ」を開くと「ダウンロード」フォルダに[thonny-3.1.6.exe(数値はその時のバージョンによって異なります)]がダウンロードされているため、直接ダブルクリックで実行しましょう。

以下のようなウインドウが表示されたら、画面に従ってインストールしていきます。

Thonnyのインストール方法

上画像のように表示されたら[Next]ボタンをクリックします。

Thonnyのインストール方法

次の画面ではライセンス認証を行います。
「I accept the agreement」が選択されているのを確認して[Next]ボタンをクリックします。

Thonnyのインストール方法

次の画面ではデスクトップにショートカットアイコンを置くかどうかが選択できます。
置いておいた方が便利なのでチェックボックスを入れたまま[Next]ボタンをクリックするのをおすすめします。

Thonnyのインストール方法

インストールの設定が完了したので[Install]ボタンを押してインストールを開始します。

Thonnyのインストール方法

インストールが完了するまでしばらく待ちましょう。

Thonnyのインストール方法

上画像のような画面が表示されたらインストールは完了です。[Finish]ボタンをクリックして終了します。

以上で「Thonny」のインストールは完了です。

・初期設定

「Thonny」のインストールが完了したら初期設定として「MicroPython」の開発環境をインストールしていきます。

パソコンと「Pico2」をUSBケーブルで接続しましょう。
自動的にパソコンに認識されるはずです。
※新品状態なら本体基板上の[BOOTSEL]ボタンを押しながら接続する必要はありません。
既に接続済みの場合でもそのまま進めても問題ありませんが、うまくいかない場合は抜き差しして再接続してみましょう。

確認するには「エクスプローラ」を起動します。
下画像のように「RP2350」が確認できれば問題なく認識されています。

Raspberry Pi Pico2とパソコンの接続
既にファームウェアをインストール済みの場合等で認識されない場合もあります。
認識されない場合は「Pico2」基板上にある「BOOTSEL」ボタンを押しながらパソコンと再接続してみましょう。

パソコンと「Pico2」を接続したら、デスクトップにある下画像のようなショートカットアイコンをダブルクリックして「Thonny」を起動します。

Thonnyショートカットアイコン

下画像の様に「Thonny」が起動したら、ウインドウ右下の矢印部をクリックします。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定
上画像では矢印部が「no backend」となっていますが、既にThonnyをお使いの場合等で違う表示になっているかもしれません。気にせず矢印部をクリックしてください。

下画像の様にメニューが表示されたら[MicroPythonをインストール]をクリックしてください。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定
[MicroPythonをインストール]の項目が表示されない場合は「Pico2」がパソコンに認識されていません。この場合は「Pico2」基板上にある「BOOTSEL」ボタンを押しながらパソコンと再接続してみましょう。
「CircuitPython」を使用したい場合は[CircuitPythonのインストール]の方をクリックして初期設定を進めてください。

以下の様に「MicroPython」をインストールするウインドウが表示されるので、インストールを進めていきます。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定

上画像の様なウインドウが表示されてしばらくすると、矢印部に「RP2350」が表示されるのが確認できると思います。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定

[MicroPython family]部のドロップダウンアイコンをクリックして表示されるメニューの中から[RP2]を選択します。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定

[Variant]部のドロップダウンアイコンをクリックして表示されるメニューの中から[Raspberry Pi Pico2]を選択します。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定

[Version]部は最新のものが選択されるため、特に理由がなければそのまま[インストール]ボタンをクリックします。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定

インストールが開始されるのでしばらく待ちましょう。

ThonnyでRaspberry Pi Pico2の初期設定

上画像のように、ウインドウ左下に「Done!」と表示されたらインストール完了です。
[閉じる]ボタンをクリックしてウインドウを閉じます。

インストールが完了したら一旦「Thonny」を閉じます。
「Pico2」とパソコンを接続しているUSBケーブルも一旦抜いて、再度接続しましょう。

「Pico2」とパソコンを再接続(BOOTSELボタンを押さないように注意)したら、ちょっと待ってから「Thonny」を再起動しましょう。

Raspberry Pi Pico2をMicroPythonでLチカ

上画像の様に「Thonny」が起動して、ウインドウ下の[シェル]部にエラー(赤文字)が出ていなければ初期設定完了です。

5.Lチカで動作確認(MicroPython)

「Thonny」の初期設定が完了したら早速サンプルプログラムを使用して動作確認をしてみましょう。

今回は「Pico2」本体基板上のLEDランプ(緑)を点滅させる「Lチカ」のサンプルプログラムを準備しました。
「Thonny」の開発画面にコピペで貼り付けるだけで簡単に動作確認をすることができます。

・サンプルプログラム(コピペ)

「Thonny」を起動したら、開発画面にプログラムを書いて実行することができます。

今回は、この下にサンプルプログラムを準備しましたので、コピペ(コピー&ペースト)で下画像の様に貼り付けてください。

Raspberry Pi Pico2をMicroPythonでLチカ

サンプルプログラムは以下になります。
コピーは下の黒塗り部右上のアイコンクリックでもできます。

from machine import Pin  # 入出力モジュールを準備
import utime  # タイマーモジュールを準備

led = Pin("LED", Pin.OUT)  # LED端子をledとして出力に設定
while True:  # ずっと繰り返し
    led.value(1)      # LEDを点灯
    utime.sleep(0.5)  # 0.5秒待つ
    led.value(0)      # LEDを消灯
    utime.sleep(0.5)  # 0.5秒待つ

・動作確認

サンプルプログラムを「コピペ」で貼り付けたら、下画像の矢印部のアイコンをクリックして実行してみましょう。

Raspberry Pi Pico2をMicroPythonでLチカ

実行されると「Pico2」基板本体上のLED(緑)が下画像のように点滅するのが確認できると思います。

Raspberry Pi Pico2をMicroPythonでLチカ

点滅時間はサンプルプログラム内の以下の部分で指定しています。
「0.5」の部分で時間を設定しているので、数値を変えて動作確認してみましょう。

utime.sleep(0.5)  # 0.5秒待つ

動作を終了するには、下画像のように矢印部の[STOP]アイコンをクリックします。

Raspberry Pi Pico2をMicroPythonでLチカ

以上で動作確認まで完了しました。


当サイトでは以下リンクのように「Pico」で「MicroPython」を使用したサンプルプログラムをいくつも公開しています。(CircuitPythonは初期設定が異なるのでご注意ください。)

「Pico2」になっても互換性があり、同じ様に動作確認できます。
プログラムの解説もしながら紹介していますので「Python」の学習にも、ぜひ他のプログラムの動作確認もしてみてください。
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「MycroPython」を使用したプログラミングについては、以下の公式サイトで英文ですが確認できます。ブラウザの翻訳機能で翻訳して確認してみましょう。

Quick reference for the RP2 — MicroPython latest documentation

・プログラムの保存方法

作成したプログラムはパソコン上の任意の場所に保存できますが、「Pico2」本体にも保存(複数可)することができるため、この方法について紹介します。

「Pico2」本体に保存すると、本体が破損した場合や、本体を初期化した場合には全て消えてしまうため、必要に応じてパソコンにバックアップを保存しておきましょう。
プログラムを保存するときには、実行中のプラグラムは停止しておく必要があります。

下画像のように[保存]アイコンをクリックすると、保存先を選択するウインドウが表示されます。
今回は「Pico2」本体内に保存するので[Raspberry Pi Pico]ボタンをクリックします。

Raspberry Pi Pico2プログラムの保存方法
パソコンに保存する場合は[このコンピュータ]ボタンをクリックして保存先を選択して保存しましょう。

下画像のようなウインドウが表示されたら「ファイル名.py」のように「.py」をつけてファイル名を指定してから[OK]ボタンを押します。今回は「Lchika.py」としました。

Raspberry Pi Pico2プログラムの保存方法

保存が完了すると、下画像の様にプログラムコード入力エリアのタブ名がファイル名になり、保存されたことが確認できます。

Raspberry Pi Pico2プログラムの保存方法

ファイルを開くときは、下画像のように[ファイルを開く]アイコンをクリックして[Raspberry Pi Pico]ボタンをクリックします。

Raspberry Pi Pico2プログラムを開く方法

下画像のように本体に保存されているファイルの一覧が表示されるので、開くファイルを選択して[OK]ボタンを押すと、ファイルを開くことができます。

Raspberry Pi Pico2プログラムを開く方法

・「Pico2」単体でプログラムを実行する方法

「Thonny」のプログラム方式は「REPL(Read-Evaluate-Print Loop:対話型実行環境)」と呼ばれ、コードを入力して即座に実行結果を確認できます。
これにより、プログラムの動作をリアルタイムに確認しながら開発を進めることができます。

一般的なマイコンの「プログラム書き込み」とは異なり、実行したプログラムはパソコン上にあり、パソコンで実行された処理が「Pico2」側で動作しています。
このため、プログラムを実行するためには毎回ファイルを開いてから実行する必要があります。
プログラム開発が完了して、「Pico2」基板単体でプログラムを実行させるには、プログラムのファイル名を「main.py」として保存します。

試しに今回の動作確認に使用したサンプルプログラム「Lchika.py」を「main.py」として保存して「Pico2」基板単体で動作確認してみましょう。

下画像の様に[新規ファイル]アイコンをクリックすると、開発画面に新しく「<無題>」タブが作成されるので、上のサンプルプログラムを「コピペ」で貼り付けます。

Raspberry Pi Pico2基板単体で動作させる方法

下画像のように[保存]アイコンをクリックして[Raspberry Pi Pico]ボタンをクリックします。

プログラムを保存するときには、実行中のプラグラムは停止しておく必要があります。
Raspberry Pi Pico2基板単体で動作させる方法

下画像のようなウインドウが表示されたら、ファイル名を「main.py」として[OK]ボタンを押します。

Raspberry Pi Pico2基板単体で動作させる方法

開発画面の「<無題>」タブが「main.py」に変わっていれば保存完了です。

Raspberry Pi Pico2基板単体で動作させる方法

「Pico2」をパソコンから外してUSBアダプター等で電源を供給すると、下画像の様に「Pico2」基板単体でLEDの点滅動作が確認できる様になります。

Raspberry Pi Pico2をMicroPythonでLチカ
「main.py」ファイルを開いて、編集して上書き保存することで動作を変更することもできます。
基板単体で何も動作させたくない時は、「main.py」ファイルを本体内から削除しましょう。

・プログラムの削除方法

「Pico2」本体に保存したファイルを削除するには下画像の様に、本体内のファイルを開いて、削除したいファイルの上で右クリックすると表示されるメニューから削除できます。
開発画面左に表示されているファイル一覧からも削除することもできます。

Raspberry Pi Pico2本体内のファイルを削除する方法

6.「Pico2」本体の初期化方法

「Pico2」の動作がおかしくなったり、ファイルを全て削除したい等で初期状態に戻したい場合もあると思います。

そんな時のためにラズパイPico本体を初期化する方法も紹介します。
以下のサイトにアクセスして、本体初期化用のファイルをダウンロードします。

表示されたページの一番下までスクロールすると、下画像のようなリンクがあるので「UF2 file」をクリックします。

ラズパイPicoの初期化方法

クリックすると「flash_nuke.uf2」というファイルがダウンロードされます。

「Pico2」本体の「BOOTSEL」ボタンを押しながらパソコンと接続して認識された「RP2350」フォルダに、このファイルをドラッグ&ドロップするだけで初期化は完了します。

初期化するとラズパイPico本体に保存されたプログラムやライブラリ等のデータが全て消去されます。必要なファイルのバックアップを取ってから行うようにしましょう。

7.まとめ

「MicroPython」を使用した「Raspberry Pi Pico2」の使い方を詳しく紹介しました。

「Pico2」は「Pico」の上位機種で、端子配列や寸法、機能、プログラムの互換性は保ちつつ、CPUの処理速度は「133MHz」から「150MHz」にアップし、メモリは「Flash:4MB / SRAM:520kB」と2倍になりました。
価格は「Pico」より2割ほど高いですが、それでも1000円以下でコストパフォーマンスに優れた高機能なマイコンボードです。

開発環境には「Python」の開発環境「Thonny」を使用することで、ファームウェアを個別にインストールする必要はなく、初期設定のみでプログラム環境を準備することができます。

今回は基本的な使用方法ということで、プログラムは「Lチカ」だけでしたが、当サイトでは「Pico」のプログラムをいくつも公開しています。
「Pico2」と「Pico」はプログラムに互換性があり、同じ様に動作確認ができます。

以下のリンク先では、プログラムの解説もしながらサンプルプログラムを公開していますので「Python」の学習にも、ぜひ他のプログラムの動作確認にも挑戦してみてください。

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